2012年12月16日日曜日

貴金属鉱山探索会社のデューデリジェンスの超基本

ここ最近、金銀共にチャート、COT、ファンダメンタル、センチメントのバラつきが激しく、個人的には値動きが非常に読みにくいので貴金属鉱山探索会社(以下、エクスプローラー)のDDをコツコツと進めている。

しかし、貴金属鉱山探索会社ってなんなのだ、どうやって善し悪しを見極めるのかというという質問はよく受けるので簡単に説明しておくのも悪くないと思ったので、説明しておく。

エクスプローラー:エクスプローラーということなので、文字通り「探索会社」ということになる。このような企業は自分たちで買った「金があるかもしれない土地」にひたすら穴を掘り続けて金の含有率が高い地脈を探したり、その金の採掘コストを計算したりしている。つまり、金は(少なくとも商業的には)全く産出しておらず、そもそも商業化にたどり着けるかどうかもわからない。そしてもちろん、金脈を探している間は継続的にカネはなくなり続けるし、ITベンチャーと違って重機なども必要なのでカネが減る速度も速い。
それでは、キャッシュフローが無く、当たるかどうかもわからないのにどうやって継続的に増資を続れるのか。どうして、投資家がカネを与え続けるのか。

理由は、試掘の結果が良ければその土地に金がある確率が上昇する、金がある確率の高い土地ほど市場価値が高い、よってその会社の資産価値が上昇する。つまり、「キャッシュフローがマイナスなのに、カネを使えば使うほど所有する土地の価値が上昇していくので、株価が成長していく」というモデルである。

このような会社のゴールは、自分たちで金を採掘してキャッシュフローを生み出す、或いはキャッシュリッチな大手鉱山会社に買収されることです。
しかし、稀に自信のあるエクスプローラーはキャッシュフローが無いのにポイズンピル条項が備わっているなど中々その他の株式市場の常識が通用しないところもあります。
また、この分野はアナリストなどのカバレッジもひっじょーに薄く、出来高も少なく、当然のことながら時価総額も少ないのでデタラメな動きをすることも多々あります。数セント、数十セントの株なんてもはや当たり前の領域です。
しかし、一度当たると非常に大きいです。

最大のリーターンを期待しながらも、最悪の事態に警戒した投資。
ちょっとやそっとどころじゃない荒い値動きにも耐える投資が求められます。

それでは、ざっくりとデューデリジェンスのしかたを紹介します。

<DDのポイント>
■財務諸表
この手の企業の場合は、BS、PLがそもそも監査されていない場合が非常に多いので真に受けすぎてはいけません。ただ、そもそも利益が無いという前提なのでココの構造は単純です。その他の会社の活動と照らし合わせればマトモかどうかはある程度判断が付くでしょう。

①デットを使わずに、エクイティーだけでファイナンスできているか。
 →良い鉱山はエクイティーだけで十分ファイナンスが回ります。
②過剰な報酬が役員などに与えられていないか。
 →ベンチャー役員勝ち逃げ、ダメ、絶対。
③キャッシュがいくらぐらいまで落ちたら、ファイナンスが行われているか。
 →ファイナンスが目と鼻の先なら、ちょっと待ってみるのもアリかと。
④試掘活動等のコストが、NI 43-101における試掘活動に見合っているか。
 →次で簡単に説明します。

■National Instrument 43-101 (以下 NI 43-101)
これは、カナダのJASDAQ的さむしんぐであるTSXに上場する鉱山会社が採掘結果などを公表する際の報告書のフォーマットです。財務諸表と異なり、こちらには法的に連帯責任を伴う監査法人というか保証人的さむしんぐである”Qualified Person”のサインが必要になります。
つまり、財務諸表よりも厳格なチェックがこちらには入っています。

このレポートのポイントはこの三つです
・地面に眠っている確率(3段階)に応じた金の埋蔵量
 →Inferred:地質学的根拠には基づくものの、実際に資源が埋蔵されているか確認が取れていないため、有無、品質において信用度の低い埋蔵資源。
 →Indicated:ある程度の確認が取れたため、信用度はInferredよりも高い埋蔵資源。
 →Measured:Indicatedから更にサンプリングを行い、Qualified Personが量と品質において非常に確度が高いと宣言した埋蔵資源。

・平均的採掘コストの試算
 →そのまんまです。現在の金価格と比較して十分経済性があるか見てみましょう。

・採掘方法
オープンピットという低コストで効率的な採掘方法が使えることを確認しましょう。
  ちなみに、高コストなやりかたはコレ。 (スクロールダウンして、「金ができるまで」へどうぞ)

・採掘されたエリア、深さ等が載っています。
 →まだまだ掘りつくされていない感があれば、更に公表できる金の埋蔵量が増加します。掘れば出てきそうな土地がたくさんあればあるほど、株価、資産価値向上のポテンシャルが大きいです。

■人、或いはフォロワー戦略
・誰が経営しているのか
ちゃんとその土地をよく理解している、専門家がいることを確認しましょう。若造ばかりのところには絶対に手を出しません。大手鉱山会社でプロジェクトリーダー等をつとめ実績を残したことのある人をちゃんと獲得できる会社に投資しましょう。
・誰が買っているのか
この手の株への投資を専門としているファンドだとPintree CapitalとかSprott Assetなんかがあります。Pintreeはかわいそうに全く株価が評価されていませんが、どちらも非常に実力のあるファンドなのでこいつらの動きを見てみるのもいいのかもしれませんね。

■地図、敷地
・歴史的に金が採掘されやすい場所だったのか、嘗て鉱山があった場所なのか。
 →実績のある場所からは、アタリが出やすい。
 →昔の技術では採掘できなかった金を、先端技術で低コストで採掘するというのは定番勝ちパターン。
・地政学的リスクは問題ないのか。
 →金とか銀は結構物騒な地域に眠っていることが多いです。例えばペルーとか、南アとか。ここで暴動がおきたり土地の権利問題が発生すると厄介です。
 →ちなみに、あんびるは地政学的リスクが過剰評価されているから割安だと考えている株も持っています。


ちなみに、エクスプローラーは流動性が低く、値動きも荒いため、

風説の流布まがいの情報を流して儲けようとする連中が沢山います。
知らない人に、知らない株を勧められても、自分でちゃんと調べずに買ってはいけません。

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